2008年04月05日

文章と音楽のスタイル…

■まえがき

先日、「ちーちゃんは悠久の向こう」を読了しました。
その巻末解説で、作家の久美沙織さんが次のようなことを言っています。

・文章を書くのが下手な人は「文章を書く際のフォーム」ができてない
・文章を書ける人は「最も理に適ったフォーム」を身につけている

これを読んで「なるほど」と思う反面、「ん?」と思うところもありました。
それが今回書こうと思っている、「文章と音楽のスタイル」です。


■フォームって何だろう

そもそも、フォームとは何でしょうか。
何のために「適切なフォーム」が必要なのでしょうか。

例えば、スポーツの場合。
その競技に合ったフォームを身につけないと良い成績を残せません。
それはフォームが計算された合理的な方法だからです。
フォームから外れるということは無駄が生じるということであり、
結果、成績もあまりふるわなくなります。

ごく稀に、逸脱したフォームでも好成績を残す人がいますが、
これは「料理と食材」に例えると、次の2つの可能性が考えられます。

・他人よりも優れた食材を使っている
・他人とは違う食材を使っていて、別の調理法を必要としている

人よりも身体能力が優れているため、適切なフォームでなくても好成績を残せる。
もしくは、身体の使い方が人と違っていて、そのフォームでないと力を発揮できない。
これらは例外であって、基本的にフォームは1つの「正しい形」であると思います。


■文章のフォーム

では、久美沙織さんが言うように、文章にも「適切なフォーム」というのはあるのでしょうか。
例えば、仕事文などのドキュメントには「適切なフォーム」というのはあります。
それは、これらの文章文書に求められるものは、意味が通じることと信用を保持することだからです。

一方、娯楽である物語に「意味」や「信用」が必要かと考えると、それは少し違うように思えます。
娯楽に必要なものは、「それが楽しいかどうか」。それだけです。
読んでもちっとも意味が分からない物語があったとして、
しかし、それがなぜか面白いと感じられたら、その物語はちゃんと成功しています。

だから、僕は文章に「適切なフォーム」は無いと考えます。
その代わり、文章にあるのは「スタイル」じゃないかな。


■文章と音楽のスタイル

「文章のスタイル」と言っても、ちょっと分かりづらいかと思います。
端的に例えるなら、スタイルとは「服」です(余計に分かりにくい)。
フォームが、合理的な「こうしなければいけない」的なものであるのに対して、
スタイルは、もっと融通のきく、だけど何となく外側を覆っているものです。

音楽を例にとってみましょう。
ロックやユーロビートやクラシックなどの「ジャンル」は、
スポーツでいうところの「競技種目」に当たります。
スポーツでは競技に合った「最適なフォーム」がありますが、音楽はどうでしょうか。
「最も優れたロック」はありえるでしょうか。
僕は無いと思います。
全ては受け手の評価次第で、絶対的な評価軸はないでしょう。

しかし、売れる・好まれるものはあります。
ボーカルの声が良いとか。
歌詞が共感できるとか。
端的に「特徴」と言われた場合に思いつくもの、それがスタイルなんじゃないかな。
そして、特徴は真似しようと思えば真似できるものが結構多いです。
あるアーティストに人気が集まると、似たようなアーティストが増えます。
それは、スタイルがコピーの利くものだからでしょう。
同じスタイルを使う人が増えれば、流行っているように見えます。
だから、スタイルは「服」のようなものではないかと思うのです。

文章も音楽と似ています。
小説や評論やエッセイといった「ジャンル=競技種目」があって、
それとは別に、作家のスタイルが存在します。
小説の場合だと、文体や世界観やキャラクタなどがそうでしょう。
そして、人気のある作家はスタイルを真似されやすいという点も同様です。

フォームは、1つの解答に近づこうとするものに対して、
スタイルは、いくつかあるサンプルから選ぶもののようです。


■好きなスタイルを選べばいいじゃん

はてなブックマークとかで、「文章の書き方」や「ブログの書き方」といった記事をたまに読みます。
で、読んで思うことは、収益目的じゃないなら好きに書けばいいじゃんってこと。
「文章は読む人のことを考えて読みやすく」とか、ハウツー本に書かれてたりするけど、
別に書きたいように書いて、読みたい人が読んでくれればいいんじゃないかなと思う。
音楽だって、よく分からないノイズみたいな音楽が好きな人だっているんだし。
無理して流行に合わせる必要はないと思います。
ただし、一般的に評価されたいと思うのならば、流行のスタイルを抑える必要があります。


■あとがき

なんだろうね。
途中から破綻してくるのが、たぶん僕のスタイルなんだろうなあと。
スタイルを服に例えたけど、僕のスタイルはサイズが大きくて合ってないんだと思う。
本当は文章の種類によって、着てるスタイルを変えたらもっと明確になるんだろうけど、
面倒くさいから、サイズの合ってないスタイルで誤魔化してるんじゃないかな。
そういう意味で、いろいろなスタイルを使い分けられる人はすごいなあと思います。

(結局、何が書きたかったんだろう?)
posted by 葵日向 at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 思考・雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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